ランタイムクラス(Runtime Class)
Kubernetes v1.14
beta
- バージョン名には
beta
がつきます(例:v2beta3
)。 - コードが十分にテストされているため、この機能は安全に有効化できます。デフォルトでも有効化されています。
- 今後も継続して、この機能は包括的にサポートされる見通しですが、細かい部分が変更になる場合があります。
- 今後のbeta版または安定版のリリースにおいては、オブジェクトのデータの形式や意味の両方あるいはいずれかについて、互換性のない変更が入る場合があります。その際は、次期バージョンへの移行手順も提供します。その移行にあたっては、APIオブジェクトの削除・改変・再作成が必要になる場合があります。特に改変には、多少の検討が必要になることがあります。また、それを適用する際には、この機能に依存するアプリケーションの一時停止が必要になる場合があります。
- 今後のリリースにおいて互換性のない変更が入る可能性があります。そのため、業務用途外の検証としてのみ利用が推奨されています。ただし、個別にアップグレード可能な環境が複数ある場合は、この制限事項の限りではありません。
- beta版の機能の積極的な試用とフィードバックにご協力をお願いします!一度beta版から安定版になると、それ以降は変更を加えることが困難になります。
このページではRuntimeClassリソースと、runtimeセクションのメカニズムについて説明します。
警告: RuntimeClassはKubernetes1.14のβ版アップグレードにおいて破壊的な 変更を含んでいます。もしユーザーがKubernetes1.14以前のバージョンを使っていた場合、RuntimeClassのα版からβ版へのアップグレードを参照してください。
RuntimeClassについて
RuntimeClassはコンテナランタイムの設定を選択するための機能です。そのコンテナランタイム設定はPodのコンテナを稼働させるために使われます。
セットアップ
RuntimeClass機能のFeature Gateが有効になっていることを確認してください(デフォルトで有効です)。Feature Gateを有効にする方法については、Feature
Gatesを参照してください。
そのRuntimeClass
のFeature GateはApiServerとkubeletのどちらも有効になっていなければなりません。
- ノード上でCRI実装を設定する。(ランタイムに依存)
- 対応するRuntimeClassリソースを作成する。
1. ノード上でCRI実装を設定する。
RuntimeClassを通じて利用可能な設定はContainer Runtime Interface (CRI)の実装依存となります。 ユーザーの環境のCRI実装の設定方法は、対応するドキュメント(下記)を参照ください。
備考: RuntimeClassは現時点において、クラスター全体で同じ種類のNode設定であることを仮定しています。(これは全てのNodeがコンテナランタイムに関して同じ方法で構成されていることを意味します)。 設定が異なるNodeに関しては、スケジューリング機能を通じてRuntimeClassとは独立して管理されなくてはなりません。(PodをNodeに割り当てる方法を参照して下さい)。
RuntimeClassの設定は、RuntimeClassによって参照されるハンドラー
名を持ちます。そのハンドラーは正式なDNS-1123に準拠する形式のラベルでなくてはなりません(英数字 + -
の文字で構成されます)。
2. 対応するRuntimeClassリソースを作成する
ステップ1にて設定する各項目は、関連するハンドラー
名を持ちます。それはどの設定かを指定するものです。各ハンドラーにおいて、対応するRuntimeClassオブジェクトが作成されます。
そのRuntimeClassリソースは現時点で2つの重要なフィールドを持ちます。それはRuntimeClassの名前(metadata.name
)とハンドラー(handler
)です。そのオブジェクトの定義は下記のようになります。
apiVersion: node.k8s.io/v1beta1 # RuntimeClassはnode.k8s.ioというAPIグループで定義されます。
kind: RuntimeClass
metadata:
name: myclass # RuntimeClass名
# RuntimeClassはネームスペースなしのリソースです。
handler: myconfiguration # 対応するCRI設定
備考: RuntimeClassの書き込み操作(create/update/patch/delete)はクラスター管理者のみに制限されることを推奨します。 これはたいていデフォルトで有効となっています。さらなる詳細に関してはAuthorization Overviewを参照してください。
使用例
一度RuntimeClassがクラスターに対して設定されると、それを使用するのは非常に簡単です。PodSpecのruntimeClassName
を指定してください。
例えば
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: mypod
spec:
runtimeClassName: myclass
# ...
これは、Kubeletに対してPodを稼働させるためのRuntimeClassを使うように指示します。もし設定されたRuntimeClassが存在しない場合や、CRIが対応するハンドラーを実行できない場合、そのPodはFailed
というフェーズになります。
エラーメッセージに関しては対応するイベントを参照して下さい。
もしruntimeClassName
が指定されていない場合、デフォルトのRuntimeHandlerが使用され、これはRuntimeClassの機能が無効であるときのふるまいと同じものとなります。
CRIの設定
CRIランタイムのセットアップに関するさらなる詳細は、CRIのインストールを参照してください。
dockershim
Kubernetesのビルトインのdockershim CRIは、ランタイムハンドラーをサポートしていません。
containerd
ランタイムハンドラーは、/etc/containerd/config.toml
にあるcontainerdの設定ファイルにより設定されます。
正しいハンドラーは、そのruntime
セクションで設定されます。
[plugins.cri.containerd.runtimes.${HANDLER_NAME}]
containerdの設定に関する詳細なドキュメントは下記を参照してください。
https://github.com/containerd/cri/blob/master/docs/config.md
cri-o
ランタイムハンドラーは、/etc/crio/crio.conf
にあるcri-oの設定ファイルにより設定されます。
正しいハンドラーはcrio.runtime
tableで設定されます。
[crio.runtime.runtimes.${HANDLER_NAME}]
runtime_path = "${PATH_TO_BINARY}"
cri-oの設定に関する詳細なドキュメントは下記を参照してください。
https://github.com/kubernetes-sigs/cri-o/blob/master/cmd/crio/config.go
RutimeClassをα版からβ版にアップグレードする
RuntimeClassのβ版の機能は、下記の変更点を含みます。
node.k8s.io
APIグループとruntimeclasses.node.k8s.io
リソースはCustomResourceDefinitionからビルトインAPIへとマイグレーションされました。spec
はRuntimeClassの定義内にインライン化されました(RuntimeClassSpecはすでにありません)。runtimeHandler
フィールドはhandler
にリネームされました。handler
フィールドは、全てのAPIバージョンにおいて必須となりました。これはα版のAPIでのruntimeHandler
フィールドもまた必須であることを意味します。handler
フィールドは正しいDNSラベルの形式である必要があり(RFC 1123)、これは.
文字はもはや含むことができないことを意味します(全てのバージョンにおいて)。有効なハンドラー名は、次の正規表現に従います。^[a-z0-9]([-a-z0-9]*[a-z0-9])?$
Action Required: 次のアクションはRuntimeClassのα版からβ版へのアップグレードにおいて対応が必須です。
RuntimeClassリソースはKubernetes v1.14にアップグレードされた後に 再作成されなくてはなりません。そして
runtimeclasses.node.k8s.io
というCRDは手動で削除されるべきです。kubectl delete customresourcedefinitions.apiextensions.k8s.io runtimeclasses.node.k8s.io
runtimeHandler
の指定がないか、もしくは空文字の場合や、ハンドラー名に.
文字列が使われている場合はα版のRuntimeClassにおいてもはや有効ではありません。正しい形式のハンドラー設定に変更しなくてはなりません(先ほど記載した内容を確認ください)。
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